いつの間にか波形編集というものは珍しくもなくなる。
それを可能にしたのは、技術の進歩。あんなに高かったオーディオボードの価格が、どんどん下がっていた。
Audiomediaには満足していたが、4trの制限が辛くなって新しいオーディオボードを物色せざるを得なくなる。
すでに環境はLogic Audioで占められていたので、開発メーカーのEmagic社がこだわり抜いて作ったという「Audiowerk8」を選択することはまぁ当然の成行きだった。当時のEmagicとその日本代理店MIDIAの評判は抜群だったので、肝いりで作られたこの「breakout8」という専用のマルチボックスも購入。
しかし、繋いでみるとレコーディング中にノイズがやたらと発生する。なんかボックスの導通が悪いんだなと思い、中を開けてみると
プラグまで2本の線でしかつながっていない。
あれ。おかしい!これはバランス接続(3本線で接続)されているとの説明だったはず。もしかして!?
代理店に問い合わせして、結果アンバランスの仕様という事が判明してしまう。信頼性というのは作るのは大変であるが、崩れるのは一瞬のことである。
そして今思えば、此のころからLogicがAppleに移ってしまう前兆が始まっていたのかもしれない。
信頼性という意味では、その頃に使っていたMackie 8 busも音は大好きだったが、いかんせんアナログ卓なので使っているうちにガリが増えるのには参った。
同じ頃、プラグインというPC上でエフェクトをかけられるシステムが登場し出す。
当時のスタジオ定番の一つ、SonyのDPS。中でもリバーブのサウンドが特に気に入ってて、プラグインのサウンドには興味なかったが、あるときスネアの音がどうしても決まらない。
思いつきでプラグインのリバーブを使ってみたら、チープでこれはこれでありかも というきっかけで、使い出す。
ガリは無いし、なんといってもトータルリコール(設定を全て記憶)できることが素晴らしい。
「PCだけで全部完成まで持っていけないか」
ここから一気にソフトウェアの時代が幕をあけるのである。
2010/10/27
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