Q700 + LogicAudioのコンビで初のCD制作を終え、このシステムで行くとこまで行こうと思っていたのですが、時代はいつしかPowerPC。
Q700のPDS slotにUpgradeカードを取り付けてPowerPC601マシンにするという一般的な選択肢は、残念ながらNuBusボード満載で不可。さらに最新のPowerPC搭載マシンの拡張スロットにPCI規格のみが採用されるようになり、AudiomediaとSampleCellを(互換性のために)買い換えるのも勿体ない気がしてしまう。そこでPCIとNuBusを両方使えるマシンがあれば〜なんて探したら、見つけちまったんだこれが。しかも世界で1機種!
当時Macを生産していたのはApple社の他に数社(いわゆる互換機。日本のPioneerやAkiaとかも)ありましてPowerComputingのPower Waveという機種がそれだった。このころは、もうネットがありましたんで、英語のサイトを必死に調べたりして、Digidesignのボードとの互換性もあるというレア情報も得られた。
よっしゃこれだ!と思ったときはすでに※販売終了….(;_;)。
でもここまで調べておいて簡単に諦める訳にはいかん。とにかく片っ端から情報収集すると秋葉原の五州貿易にPower WaveのロジックボードとPCI/NuBusボード(Stargate Riser Card)だけならあるという。
自作Macってことか!?
気づいたときにはDOS/V用のパーツやATX電源筐体の資料など、およそMacからは程遠いものばかりを調べている自分がいました。どうせなら海外の最新で安いCPUボードとグラフィックカードも入れちまおうと$と¥の換算まで始めちゃう始末。
結果CPUをPowerLogixの604e/180、グラフィックカードはApple純正(PM9500)に採用されていたIXMicro Twin Turbo 8M、EDO RAMを個人輸入で調達。筐体はDOS/V用ラックマウント型のもの、HDDとCD-Rドライブ、FloppyドライブからJazドライブまで収容するというオールインワンMacを目指しました。全てのパーツ類が揃ったところで組み立て開始。当然筐体の加工から始めなくてはいけません。D-SoundのDaniくんにも手伝って貰ってなんとか完成。
これはねぇ初めて立ち上げるときは緊張しましたよ、元々保証なんて付きませんし、もしダメだったら検証作業は非常に困難になると覚悟をきめてSwitch ON。これがその本体。中央に泣きのリンゴマーク笑。『じょ〜ん』初めて響くPowerPCの起動音、続けてHappyMac。1997年10月23日でした、いやー最高に嬉しかったですね!!かなり無理しながら使っていたOS8もサクサク動くし、もちろん拡張カードも買い換え無しで済んだわけでめでたしめでたし
Mac本体がバージョンアップしたので、その後Audio I/OでEmagic Audiowerk8を追加しつつ (PCI Bus)、あとはApple初代の15″ LCD Displayもデザインに惚れて買いました。こいつは今でも現役。
ソフトの方はLogicのVersion3の時代。また同じEmagic社シンセサイザーエディター/ライブラリアンのSound Diverも導入し数多くの音源やエフェクターを一度にコントロールできる環境を整えられて「あーしわわせー」。。。イイ時代だった(^_^;)。
※ 当時の互換機メーカーは完全にAppleに振り回された形になってしまいました。PowerComputing社は素晴らしい技術を持ったメーカーの一つでしたが、結局日本の代理店が決まる前にAppleが互換機メーカーへのlicense供与を停止する決定をしたため、撤退せざるを得ない状況となってしまったのです。
2003/5/19
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