ずっとAppleが作るMacに惹かれ続けていた私が、何故互換機で自作のラックマウントなどという武骨なものへ走ったか。それはその当時のAppleの製品がとんでもなく完成度が堕ちていたからに他なりません。Windows圏の圧倒的な低価格競争に巻き込まれ、迷走をつづけたApple。一時は買収話が現実味を帯びて伝えられることもありました。それが1997年、Apple Computer創設者の一人スティーブ・ジョブズ氏がカムバックしたのをきっかけに、Appleはまた新たな挑戦を始めたようです。
think different …
人と違う、異質なところにこそ意味があるというそのメッセージは、ビジネス的には大きな矛盾をはらみつつ、しかし無から有を創り出すことに携わる人間には痛いほどよく分かる言葉だと思います。
実際Appleというブランド力、製品パッケージを仕上げる能力は以前にも増して輝いて見えますが、Macintoshというコンピュータ自体に
かつての突出した完成度を求めるのは難しくなったのかもしれない。業界標準こそ、マーケットのシェア率こそがすべてというコンピュータ業界に於いて、他と違う独自の道を歩むことは一見不可能にさえ見えます。
しかし世界で唯一のモノ- 即ち本物を作り出し、しかもそれが世の中の多くの人に受け入れられるためには、その相反する命題を微妙なバランスで渡っていく事が必要であり、コンピュータに限らずあらゆるモノづくりの世界に共通することだと思うんです。
現在私が使っているPowerMac G4 -digital audio 466モデルは一日24時間本当によく働いてくれてます。
音楽だけでなくこうやってInternetを使って情報発信なんていう、ちょっと前まで想像もしなかった作業が自宅で居ながらにして、しかもかつて憧れであったMac上で行えるなんてねー私にとっては最高の環境だと言い切れます。
しかーし人間とは全く欲張りなものでして、ちょっとでもいまより先、次なる未来を見たいと望んでしまうんだなぁ。その未来がMacとOS Xにあるのか、それともまだ見ぬ新たな制作手段が出現するのか。どっちにしても、かつて少年クリエイターを魅了したその当時のMacの様に、今のじぶんのココロを揺り動かすような道具の再来を期待してます。
2003/5/22
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