□ むかし録音ばなし 〜 2
そんなかんじで
無頓着に録音だけはしてきたが、
きちんと楽器を録ることは皆無。
自分の演奏なんて、録ったら
下手がバレるというのもある。
ところがRoland Juno-106
というシンセを手に入れて状況が変わった。
そいつはスッゴくいろんな音を出してくれたので、
たくさんの音色を同時に並べて
曲をつくってみたくなったのである。
(マルチ音源など存在しない)
はじめはカセットテープに録音してみた。
しかしすぐにそのノイズの大きさと
音質の余りの変わりように愕然とする。
それまでノイズというものは
当然あるものと気にしていなかったが、
ヤツが明らかに邪魔者と感じた瞬間であった。
もしあの時ノイズなど気にせずそのまま突っ走れば、
宅録マニアを経てエンジニアの道へ
一直線だったかもしれないが、
すでに世の中にはMIDIのシーケンサー
というものが登場していたので、
オレはあっさりカセットを捨てた。
シーケンサーを使って
はじめの頃は作ったものを録音する必要は無かった。
打ち込んだ曲は、データ保存すれば
いつでもリプレイ
のはずが、シンセが増えミキサーとエフェクターを
使うようになり立ち行かなくなった。
ミキサーでバランスをとったものは、
録音しておかないと
二度と同じバランスにならない。
さて困った。
過去に葬ったカセットには今更戻れないし。。。
と、いろいろ悩んで思いついたのがビデオデッキ。
運良くHi-Fi仕様だったのもあって
これは結構よかった。
一本のテープに短い曲を作っては
ちょこちょこ録っていた。
これもβでさえなければ、今でも聴けたのに。
高校に入って
突然オレに曲を作ってくれ
という友人が現れる。
OKしてはみたものの、
それまで作ってたのは全て
インストの曲だったのでこれには困った。
とりあえず彼には一発録りで
何度も歌ってもらって急場をしのいだが、そこで
初めてマルチトラックのレコーダーが欲しいと思った。
大学で上京したころ、
Korg T1というマルチ音源で
エフェクターまで内蔵しているキーボードを買う。
それと前後して使いだした
MacとMIDIインターフェイスには
シンクロナイザー機能があったので
Vestax MR-66というカセットの
マルチレコーダーを手に入れた。
6トラックだから音声が
シンク信号の影響を受けにくい
と聞いていたが、静かな曲では
ガビーというシグナル音が
どっかで鳴ってる気がして
あまり好きではなかった。
といいながら歌やギターを録って
アレンジに加えたりと結構
使ったな。
カセットなのに倍速録音や
dbxのおかげもあって
音は意外なほど良かった。
DATの出現はずっと待ち望んでいたものだった。
日経新聞で
「次世代デジタルの鍵を握るフォーマット」
「マルチの録音もできる」
なんて記事を読んではスゴく期待していた。
その後ちゃんと登場はしたものの、
カセットデッキほど種類も無く
値段も安くならない。
かなり経ってSonyで
44.1kHzで録音できるやつが出た時に
マスター用に買った。
さぞかしイイ音で録れるのだろうと
同じSonyのDATテープで試したら、
いきなりデジタルエラー出まくり!
買ったその日に、
自分の曲がグギーガギーと変換されるのを聴いて
一気にDATが頼りなくなった。
その後デッキを交換して
他社のテープを使ったら
トラブルはなくなったが、
一度失った信頼は
回復が難しいものである。
つづく。
[2004/11/3]